岡山市の西田彩 被告(36)は3年前の2021年9月、当時の交際相手と共謀し、5歳だった娘の真愛さんをいすの上に置いた鍋の中に長時間立たせるなどの虐待を繰り返したうえ、全身を布団に巻いて押し入れに放置し、その後、死亡させたとして監禁致死と強要の罪に問われています。
裁判では直接、暴行を加えていない被告と元交際相手との間で共謀が成立するかが争点となっています。
29日、岡山地方裁判所で開かれた裁判で検察は「被告が元交際相手に『娘が言うことを聞かない』などと告げ口を続けたことで虐待が引き起こされ、被告はその行為を止めなかった」として共謀が成立すると主張しました。
そのうえで「唯一娘を助け出せる立場にありながら、虐待を放置した刑事責任は極めて重大だ」と述べ、懲役10年を求刑しました。
一方、弁護側は「被告は元交際相手から心理的に支配され、虐待を制止することは不可能だった」として、手助けをしたほう助の罪にとどまると主張し、執行猶予の付いた判決を求めました。
最後に西田被告は「今後も事件や自分自身と向き合い続けながら、助けられなかったことを後悔し償い続けたい」と述べました。
判決は9月11日に言い渡されます。