捜索を受けたのは、東京・千代田区の衆議院第二議員会館にある堀井学議員(52)の事務所と港区の議員宿舎、それに北海道登別市にある地元事務所と自宅で、堀井議員は強制捜査が始まったあと自民党を離党しました。
公職選挙法は、政治家本人が参列してその場で渡す場合を除き、選挙区内の人に香典を渡すことを違法な寄付にあたるとして禁じていますが、関係者によりますと、衆議院比例代表北海道ブロック選出の堀井議員は、2年ほど前に、みずからが参列しない通夜や葬儀で、選挙区内の人に複数の秘書や家族を通じてたびたび議員名義の香典を渡していた疑いがあるということです。
また、選挙区内で枕花も贈っていて、違法な寄付はあわせて数十万円分になる疑いがあるということです。
堀井議員は新聞のお悔やみ欄の情報などをもとに選挙区内で行われる葬儀の日程を把握し、国会出席などのため地元を離れている時も、香典を渡す相手や金額について秘書などからLINEで報告を受けたり指示したりしていたということです。
堀井議員は、自民党安倍派からキックバックを受けた2000万円を超えるパーティー収入を政治資金収支報告書に記載していなかったことが明らかになって内閣府副大臣を辞任していて、特捜部は政治資金をめぐる捜査の過程で今回の問題を把握したとみられます。
関係者によりますと、派閥からキックバックされた資金は、地元事務所で他の資金と一緒に管理され、事務所の運営費などに使われていたということです。
特捜部は、捜索で押収した資料を分析するなどして、違法な寄付の原資や事務所内の資金の流れなどの解明を進めるものとみられます。