公正取引委員会は去年5月以降、11万社余りを対象に、賃上げに伴う人件費の増加や原材料価格などの上昇分を適切に価格転嫁できているか、書面や立ち入りなどによる調査を実施しました。
その結果、多くの取引先と協議をせずに取引価格を据え置いたことなどが確認されたとして、15日、10社の企業名を公表しました。
企業名が公表されたのは、▽イオングループの施設管理会社のイオンディライト、▽物流サービスのSBSフレック、▽電子部品大手の京セラ、▽物流大手の西濃運輸、▽輸送機器メーカーのソーシン、▽自動車大手のダイハツ工業、▽大手医薬品卸の東邦薬品、▽物流サービスの日本梱包運輸倉庫、▽医薬品や日用品などの卸売りのPALTAC、▽三菱ふそうトラック・バスの10社です。
このほかにも、取引先からの指摘は多くはなかったものの、積極的に協議をせずに取引価格を据え置くなどしていた8100社余りに対し、すでに注意喚起の文書を送ったということです。
公正取引委員会は、今回の公表が独占禁止法や下請け法の違反や、そのおそれを認定したものではないとする一方で、公表された企業には、取引先との間で価格転嫁を協議する場を積極的に設けるよう、呼びかけていくことにしています。