真鶴町の松本一彦前町長は4年前、みずからの町長選挙に利用するため、選挙人名簿を不正に持ち出した問題などで去年リコールされて失職しました。
この問題をめぐって、名簿のコピーが前町長の支援者らに渡ったことで精神的苦痛を受けたなどとして町民およそ50人が、前町長らに慰謝料を求める訴えを起こしていました。
15日の判決で横浜地方裁判所小田原支部の前澤功裁判長は、前町長が4年前、役場の文書保管庫から選挙人名簿を持ち出してコピーしたと認められるなどと指摘しました。
そのうえで「名簿に記載されている氏名や住所などはプライバシーにかかわる情報として保護の対象になる。住民のプライバシーを侵害し、精神的苦痛を与えた」などとして前町長に56万円余りの賠償を命じました。
判決のあと、松本前町長は「世間を騒がせたこと、そして、町民、職員に迷惑をかけたことをおわびします。今後については弁護士と相談して決めます」と話しました。