文部科学省の科学技術・学術政策研究所は、日本の科学研究の現状や課題を分析するために毎年、世界の研究動向などをまとめています。
この中で、2020年からの3年間に世界の国や地域で発表された自然科学分野の論文について、他の論文に引用された回数が各研究分野で上位10%に入った注目度の高い論文の数は、1年当たりの平均で、1位の中国が6万4100本余り、次いで2位のアメリカが3万4900本余り、3位のイギリスが8800本余りでした。
日本は3700本余りで13位となっていて、データが残る1981年以降で最も低い順位だった前回と同じ順位となりました。
一方、論文の総数は、1年当たりの平均で、1位の中国が54万1400本余りとなり、日本は7万2000本余りで5位となっています。
調査を行った科学技術・学術政策研究所は「各国が研究者数や研究費を増やし注目度の高い論文の引用数を増やす中、日本は横ばいで、相対的に順位を下げている。研究費を獲得するための事務的な作業にかかる時間などを減らし、研究に集中できるようにする取り組みが必要だ」としています。