北陸新幹線の新大阪までの延伸をめぐっては、与党のプロジェクトチームが福井県小浜市を通って京都駅に南下する「小浜・京都ルート」で建設する方針を決めています。
こうした中、国土交通省と鉄道・運輸機構は、7日に開かれたプロジェクトチームの委員会で、このルートの事業費が資材や人件費の高騰などから、これまで見込んでいた2兆1000億円から大幅に膨らむ試算を示しました。
「小浜・京都ルート」の3つの詳細なルート案を示したうえで、おおむね3兆4000億円から3兆9000億円程度を見込んでいます。
さらに、将来の物価上昇を想定した場合、おおむね4兆8000億円から5兆3000億円程度を見込んでいます。
また、工事の期間については、当初15年と想定していましたが、今回の試算では、駅の工事にかかる期間を新たに示し、新大阪駅がおおむね25年程度、京都駅がおおむね20年から28年程度とし、全体ではおよそ10年程度工事の期間が伸びる見通しとなっています。
一方、この延伸をめぐっては、京都府内での環境影響評価が遅れていることなどから、早期の延伸を求めて滋賀県の米原駅を経由するルートへの見直しを求める声も出ています。
与党のプロジェクトチームは、年内に委員会で新大阪までの詳細なルートを決定し、来年度中の着工を目指していますが、今後、財源や費用対効果についての議論が焦点となりそうです。
会議のあと、委員長を務める西田昌司参議院議員は「小浜・京都ルートの駅の位置など詳細な絞り込みを行い、一日でも早い開業を目指していく」と述べました。