ことし5月、山梨県にある陸上自衛隊の北富士演習場で、手りゅう弾を投げる訓練の最中に爆発して飛び散った破片が29歳の3等陸曹の首に当たり、死亡しました。
陸上自衛隊が18日公表した調査結果によりますと、訓練では、高さ1メートル10センチほどの防護壁の内側からおよそ20メートル離れた目標に向かって隊員が順番に手りゅう弾を投げていて、3等陸曹は隊員の後方で安全確認にあたっていたということです。
訓練の手順書では、手りゅう弾が投げられたあと現場にいる隊員は破片から身を守るために防護壁に体を密着させて頭を伏せるとされていますが、3等陸曹は防護壁から2メートル80センチ余り離れた場所で、頭を伏せずにしゃがんでいたところ、破片にあたったということです。
訓練には3等陸曹を含め24人が参加していましたが、部隊の指揮官は手順書に基づいた教育や指導を行っておらず、いずれの隊員も正しい手順を守っていなかったということです。
一方で、手順書の記述には分かりにくい部分があったとして写真や図などを加えて分かりやすくするとともに、部隊での安全教育を徹底させるなどして再発防止を図るとしています。
陸上自衛隊は、今回の事故で関係者の処分を検討するとともに警務隊が捜査を続けています。