金融市場では、日銀が近くマイナス金利を解除するのではないかという見方が出ていて、今月18日からの金融政策決定会合に関心が集まっています。
12日、参議院の財政金融委員会に出席した植田総裁は、景気の現状について「個人消費はこれまで価格の上昇幅が大きかった食料品や日用品などに弱めの動きがうかがわれる。しかし、今後の賃金上昇の期待もあって緩やかに改善している」と述べました。
そのうえで、「賃金と物価の好循環を点検してきているが、1月の会合以来いろいろなデータが出ているし、今週さらに追加的なデータ情報も入ってくるのでそうしたものを総合的に判断する」と述べ、来週の金融政策決定会合では春闘のデータなどを見極めて政策を判断するという考えを改めて示しました。
一方、政策を転換する場合の内容や手順は経済や物価の情勢次第だとしたうえで、マイナス金利を解除し金融機関から預かっている当座預金の一部の金利をマイナスから引き上げる場合について、「日銀当座預金の金利などを活用することによって短期金利を適切な水準にコントロールしていくことは可能だと考えている」と述べました。